• 小学生の時に友達の家に遊びに行くといつも気になることがあって、それはそれぞれの家によって独特の“におい”があるってことを感じることで、例えば、古い家系とか、新築系とか、3世代系とか、女性多め系とか、もちろん臭い系とか(自分の家がこの臭い系じゃないことを願ったりした)こっから更に派生して、各家それぞれオリジナリティー溢れる“におい”があり、初めて遊びに行く家なんかは、その家が何系統何科なのか頭の中で分類してみたりすることを実は楽しみにしてたりしたこともあったのですが(たぶん自分だけ)、上京して一人暮らしになるとやっぱり友達の実家に行く機会は減り、そうなると友達も一人暮らしで、その一人暮らしの家(主にマンション、アパート)ってやつは所詮借り家なのであの“他人の家のにおい”っていうのは全くといって感じず、そんなどうでもいいことは本当にどうでもいいことなので思い出すはずもなく月日は流れていくのですが、最近、近所の蕎麦屋にふらっと入ったら、店に足を踏み入れた瞬間漂ったのはまさしくあの“他人の家のにおい”で、(店なのに)、これがまた蕎麦が結構微妙な味だったりしたんですが、この“他人の家のにおい”をひさびさに感じたことが懐かしくて、悪くなく、これだけ嗅ぎに微妙な味の蕎麦をわりとよく食べ行ってます。